「ホワイトナイト」
第十一章

ホワイトナイト96

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 わざと口に含んだまま、嬉しそうにうそぶかれ、猛はじろりと睨みつけた。
 誰のせいだと思っても、陽介の舌が根元から軸を這いあがり、甘い吐息に罵声が紛れる。汗が流れる内腿を上下にさする鄙猥な掌。その手の中に猛の性器を握りしめ、陽介がやがて上目使いに訊ねてきた。

「なあ、猛。……こっち、もう触ってもいいか?」
 猛の機嫌をとるように何度も軸に口づけて、ねだるように語尾をくぐもらせた陽介の指が尻のあわいを行き来する。何のことだとうろんに瞬きするうちに、狭間を滑った長い指が窄みをかすめ、ギクリと四肢を強ばらせた。

「やっぱり嫌か? ……今日はもうやめとくか?」
 猛の脚を肩から下ろし、身体を起こした陽介に、それまでとはうってかわって真摯に目を見て告げられる。躊躇を刻んだ眉間にも唇をそっと寄せられて、猛は思わず目を閉じた。
 未知の行為は泣き出したいほど恐ろしかった。

 それでも身体のいちばん深いところで陽介の熱を感じてみたい。
 あの陽介がどんな風に腰を振るのか。どんな顔で喘いで動いて極めるのか。それを身体の最奥で感じるのかと思っただけで性器がさらに充溢を増し、先走りの蜜が淫らにあふれる。猛は不安と期待がせめぎあう心も体も陽介に預け、その胸の中に飛び込んだ。
「……うん。いい。して、……よ。今日は全部、して欲しい」
「猛……」
 狂おしいほど抱き返されて唇を塞がれ、猛も夢中で舌を絡める。息を継ぐたび口づけを深め、性急に肌をまさぐり合った。




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