「ホワイトナイト」
第十一章

ホワイトナイト93

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「だけど、今日もあんまり見るなよな。そんなじっと見られると、やりにくくてしょうがねえだろ」
 陽介は照れ臭そうに眉を寄せ、鼻先にそっとキスしてきた。だが、そんな余裕は自分にはない。
 のしかかってきた陽介に喉元にきつく吸いつかれながらジャケットを脱ぎ、ベッドの脇に放り投げる。息を荒げて競うように唇を求め、互いの着衣を剥ぎ取った。

 けれど、たとえ陽介がどんなに好きでも、今からしようとしていることを頭のどこかで意識するたび、身体が勝手に震え始める。セックスの経験もあるにはあるが、今は立場が違うのだ。忙しなく肌をまさぐる陽介の息に小さい歯の音が重なると、陽介が程なく頭を上げた。

「……猛?」
 心配そうに聞かれたが、猛はぎゅっと目を閉じて、握った拳で口を押さえる。
「なんか、アガ、……アガっちゃって」
 息苦しいほど鼓動が高鳴り、顔も焼けつくようなのに、奥歯がカタカタ鳴っている。ベッドの上で生け贄のように震えることしかできずにいると、ややあって陽介が吹き出した。
「笑うことないでしょう!」
 こっちは真剣なのにと涙目になり、起き上がって怒鳴りつけた。けれども陽介は悪びれもせず、むしろ嬉しげに微笑んでいる。 




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