「ホワイトナイト」
第十一章

ホワイトナイト92

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「……じろじろ見んなよ。気まずいだろ」
「あっ、ご、ごめんなさ……」
 さすがにじっと見すぎたのだろう。ドギマギしながら顔を背けた時だった。飛びつくように頬にキスされ、受け止めきれずに倒れ込む。    
「もう、また、危ない! 陽介さん!」
 ベッドのスプリングが男二人の重みの分だけ上下に跳ねて揺れていた。猛は声を荒げたが、噛みつくように口づけられる。
「んっ、んん……っ」
 唇を深く重ねあわせ、猛の舌に陽介が舌をすり合わせてくる。          
 そのまま尖らせた舌で歯列をたどられ、絡めた舌を吸いあげられると、くすぐったいのに痺れるような戦慄が指の先まで駆け抜けていく。やがて名残惜しげに唇が離され、微かに反らせた喉元に唇を強く押しつけられた。

「お前。ガキん時も俺の裸、いっつもそうやって見てたよな」
「……えっ?」
「たまに一緒に風呂入るとさ、凄えガン見してくんの。俺が結構『生える』の早かったから、珍しそうにじーっとそこばっか見てきてさ。赤ん坊みたいで可愛かったな。あの時のお前」
 含み笑った陽介に目蓋にキスをほどこされ、猛は羞恥に顔をしかめる。 
「……見てないって。そんなトコ」
「見てた、見てた。あんまり見るから、逆に俺も隠せなくてさ。どうしようかと思ってた」
 三歳で父親を亡くしたせいか、だんだん男に変貌していく陽介に、きっと憧れに近い畏怖を感じていたのだろう。けれど、自分が忘れてしまったことまで覚えてくれていたのかと思うと、じわりと胸が熱くなり、涙がにじみそうになる。 




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