「ホワイトナイト」
第十章

ホワイトナイト88

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陽介を見つめる綾のあの熱のこもった眼差しは、恋心以外の何ものでもない。
 陽介がもしも、そんな綾に気づいていないだけだとしたら。じゃあ、もし綾を本気で意識したら、どうなるのだろう。無意識に身体を起こしかけたものの、陽介に阻まれ叶わなかった。
 惑乱する猛の四肢を押さえ込み、今度は陽介ががなりたてる。
「綾さんの気持ちより、今はお前と俺の気持ちじゃないのかよ!」             

 責めるように眉をひそめた陽介に、猛は気圧されたまま黙り込んだ。自分の気持ちを問われても、今は頭が真っ白で、何の言葉も紡ぎ出せない。   
「陽介さん……」                      
「俺がお前に惚れてるってことは最初から綾さんには話してあったし、綾さんがそういう気持ちでいるなんて、正直考えてなかったんだよ。俺の方は」
 陽介はもどかしそうに言葉を重ね、苦りきった顔になる。なりふり構わず自分を口説いて落とそうとする陽介を、最後はあっけにとられて見つめていた。    
「あの人には悪いことしたと思ってる。だけど、俺が綾さんに応えられないことは、ちゃんと綾さんに伝えてあるし、承知してもらっている」   




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