「向かい風を行く」
第七章

向かい風を行く 71(R18)

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「ヨシキさん、ちょっとだけ自分でしてて」
と、美貴の手を取り、性器を握らせ、美貴の膝を立てさせる。
「えっ? ……えっ?」
「俺はこっち、してるから」
甲斐はサイドテーブルの引き出しから小瓶を出して蓋を開け、
オイルのような液体を美貴の股間にとろりとかけた。

「わっ、なに、冷た……っ」
慌てる美貴を上目に眺めて薄く笑み、甲斐はオイルを掌にも受け、
両手を擦り合わせている。
その、オイルをまとった人差し指で後孔に優しく触れてきた。
「甲斐……」
美貴は思わず、か細い声で名を呼んだ。
心細さが顔にも声にも出たのだろう。
甲斐は美貴が言葉も紡げないほど顔にも唇にもキスの雨を降らせて言う。

「大丈夫……。絶対、ヨシキさんに痛い思いさせないから」
「……甲斐」
「だから、ヨシキさんもこっち。手、自分で動かして。やらしことして楽しんで」
硬い窄まりをほぐしながら、色悪めいた微笑みで自慰をするよう唆す。
何なんだよ、こいつと美貴は頬を赤らめる。
車の運転はセーフティモードだったのに、ベッドの中だと豹変か。
内心、悪態をつきながら、
そんな顔も悪くないなと思ってしまう。魅入られてしまっている。

美貴はやがて命じられるまま勃起した性器を右手で握り、
さらに膝を開いて見せる。
きっと、甲斐はこんな風に自分を壊したいのだろう。
乱して汚して辱めて、滅茶苦茶にして融け合いたいに違いない。
美貴は煽るように左目を眇めて微笑むと、右手をゆっくり動かした。

もうすっかり術中にはめられて、甲斐のいいようにされている。
どうすればこちらが挑発に乗るのかも、
わかってやっているんだろう。
それでも美貴はあえて罠に落ちてやる。

甲斐の目が情欲をたぎらせて、雄の顔になっている。
この顔もいいなと思える。甲斐らしくなくて、すごくいい。
こちらも熱くしてくれる。


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エブリスタでも『天下分け目のBL合戦』企画にプラチナ文庫様『ピュアラブ』部門で連載しています。
舞台は京都。お香屋さんの一人息子(大学生)が主人公。
特殊な五感の少年と、チャラ男刑事の間で主人公が揺れまどう話です。
一応ピュアラブで、なんかほのぼの。
だけど、次々事件が起きるサスペンスタッチ。いつものようにいろんな意味でごった煮のBLです。
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