「向かい風を行く」
第七章

向かい風を行く 70(R18)

 ←向かい風を行く 69(R18) →向かい風を行く 71(R18)
「ヨシキさん……」
湿った音を立てながら唇を離し、甲斐が甘く囁いた。
真上から覗きこ込む甲斐の目も劣情に熱く潤み、猛っている。
その双眸に見下ろされ、拘束されているだけで、身体の芯が震え出し、
達してしまいそうになる。

だから、もういい。
どんな醜態をさらしても、今は甲斐と抱き合いたかった。心から。
この後もしも幻滅され、甲斐に意図的に距離を置かれ、自然消滅してもいい。
それでも甲斐を感じたい。この気持ちに嘘はない。
だからそれでいいんだと、ちゃんと自分に言えるから。
たとえこれで終わりになったって、この瞬間に嘘はない。

再び胸に顔をうずめた甲斐の背中にそっと腕をまわし、美貴は切なく目を閉じた。

それを合意のサインと取ったのか、甲斐が野犬のように暴れ出す。
「あっ……、あっ! ……甲斐、あ……っ」
過敏になった乳首をきつく吸われ、舌の腹で押しつぶすように舐め上げられ、
美貴は無防備に声を出す。
喉が開き、唇がほどけると、くたりと身体も蕩け出す。
理性もプライドも不穏な予感も何もかも取っ払い、投げ出して広がった。
器用に動く甲斐の手に嬲られ続けていたかった。

「すごいエロい」
「だって……」
「ヨシキさんのそういう顔、見たかった」
胸元から耳元に顔を移動させ、甲斐が吐息混じりに囁いた。
それでもまだ、片手は右胸の乳首をいやらしく捏ねている。
左より右の方がイイことを、こいつはとっくに見抜いている。嫌な奴。
憎らしいと思っても、美貴は甲斐の右手に右手を重ね、
甲斐の手の甲を撫でさする。
もっとしていいと。
もっと、してくれと。

「ヨシキさん……」
所有の証を美貴の肌に残しつつ、甲斐の舌が腰骨を滑り、
美貴の性器を躊躇なく口腔深く咥え込む。

「あっ! ……あっ、あっ」
指で根元を締めつけたまま、下から上へ軸を舐め、滴る雫を啜り出す。
さらに鈴口の切れ込みを舌で擦っていたぶられ、
甲高い声が喉を焼く。
浅い呼吸をくり返し、蛇のようにのたうった。

「……ほら。やっぱり声も可愛いじゃん」
「えっ……?」
あまりに脈が速すぎて、音がこもって聞こえていた。
虚ろに目を開け、ゆっくり瞬きしていると、小さく頬に吸いつかれた。


にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL小説へ
にほんブログ村
にほんブログ村 BL小説

エブリスタでも『天下分け目のBL合戦』企画にプラチナ文庫様『ピュアラブ』部門で連載しています。
舞台は京都。お香屋さんの一人息子(大学生)が主人公。
特殊な五感の少年と、チャラ男刑事の間で主人公が揺れまどう話です。
一応ピュアラブで、なんかほのぼの。
だけど、次々事件が起きるサスペンスタッチ。いつものようにいろんな意味でごった煮のBLです。
エブリスタ【色は匂えど散りぬるを】のページは→こちらから。
小説投稿サイト【 カクヨム 】でも、
『東京ラプソディ』という、昭和初期のカフェーを舞台にした、レトロなBLを書いています。
東京ラプソディの【 カクヨム 】ページは→ こちら から
スポンサーサイト



 関連もくじ一覧 ▼ 
総もくじ 3kaku_s_L.png ホワイトナイト
総もくじ 3kaku_s_L.png ほんとのことを言ってくれ
総もくじ 3kaku_s_L.png 夜のギヤマン
総もくじ 3kaku_s_L.png 死か降伏か
総もくじ 3kaku_s_L.png 咲かない桜の桜守
総もくじ 3kaku_s_L.png 向かい風を行く
総もくじ 3kaku_s_L.png 一緒にいようよ
もくじ  3kaku_s_L.png 電子書籍関連
総もくじ  3kaku_s_L.png ホワイトナイト
総もくじ  3kaku_s_L.png ほんとのことを言ってくれ
総もくじ  3kaku_s_L.png 夜のギヤマン
総もくじ  3kaku_s_L.png 死か降伏か
総もくじ  3kaku_s_L.png 咲かない桜の桜守
総もくじ  3kaku_s_L.png 向かい風を行く
総もくじ  3kaku_s_L.png 一緒にいようよ
もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
【向かい風を行く 69(R18)】へ  【向かい風を行く 71(R18)】へ

~ Comment ~

管理者のみ表示。 | 現在非公開コメン卜投稿不可です。
  • 【向かい風を行く 69(R18)】へ
  • 【向かい風を行く 71(R18)】へ