「向かい風を行く」
第七章

向かい風をゆく 67(R18)

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キスの角度を何度も変え、
美貴の袢纒の腰帯を解きつつ、甲斐が頬や喉に忙しなく唇を滑らせる。
素肌に感じる熱い息。
袢纒の下のTシャツも頭抜きに脱がされた。
甲斐の唇が立てている湿った音が耳の近くでするたびに、
鼓動が刻々と高鳴った。
切なくて、嬉しくて、あちこち吸いつく甲斐の頬を手で挟み、
美貴は自分から口づける。
甲斐は躊躇なく口を開け、美貴の舌を絡め取る。
さらに美貴の頭を両手で抑えて固定して、真上から噛みつくように
キスしてきた。

愛撫なんてしなかった。
口と口を隙間なく重ね合っていたいだけ。身体のいちばん敏感な粘膜を、
舌と舌を絡め合いたいだけだった。
ぎゅっと手を握り、何かを確認するように。

「ああ、もう……、クソッ、」
と、唐突に、甲斐がキスを解いて身を起こし、
美貴の腿に跨がると、袢纒の前をもどかしそうに開いている。
襦袢もTシャツも次々床に脱ぎ捨てる。

「甲斐……」
薄闇の中。黒影となって浮かび立つ甲斐の逞しい隆起した肩。
引き締まった二の腕や厚みのある胸。
乱れた黒髪が切れ長の双眸にふりかかり、端正な面立ちをひどく野蛮に見せていた。

美貴はぞくりと全身を慄かせ、甲斐の肩に手をかける。
こいつを自分のものにできるなら、未来なんてなくていい。
道なんてなくていい。
「俺。本当にお前が好きだよ、甲斐」
誇らしさにうち震え、甲斐の首に両腕を絡ませる。
すると、甲斐が一瞬瞠目し、泣き出しそうな顔になる。
それでいて微笑んだのか両方なのかわからない顔をして、
美貴の額にキスしてきた。

「……ヨシキさん」
くすぐったくなり、思わず閉じた目蓋にも、
頬にも鼻にも羽のようなキスを降らせつつ、喉から胸に口づけが下りていく。
「……っ、あっ」
愛おしそうに左右の胸を撫で擦り、小さな乳首を吸い上げられ、
甲高い声が喉をついて出た。
凝ったそれを舌で上下に舐め弾く。
熱い息を吐きながら。またそれを口に含み、を甲斐が舌でこね回す。
だが、美貴は奥歯を食いしばり、今度は嬌声を殺していた。


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エブリスタでも『天下分け目のBL合戦』企画にプラチナ文庫様『ピュアラブ』部門で連載しています。
舞台は京都。お香屋さんの一人息子(大学生)が主人公。
特殊な五感の少年と、チャラ男刑事の間で主人公が揺れまどう話です。
一応ピュアラブで、なんかほのぼの。
だけど、次々事件が起きるサスペンスタッチ。いつものようにいろんな意味でごった煮のBLです。
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