「向かい風を行く」
第四章

向かい風を行く 32

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「おはよう、美貴君。ちょっと急で悪いけど。
青年団の団長さんと美貴君と、一緒に話をさせてもらえたらと思って」
強ばった顔の甲斐の横で、榊原はいつものように柔和な笑みをたたえていた。
美貴は筧と目を交わし、そのまま四人で社務所の中へ移動した。
 
「すみません。失礼します」
宮司に断りを入れて応接室を使わせてもらい、
ソファの上座に榊原が最初に腰かける。隣には甲斐が腰を下ろし、
その前に美貴が座り、最後に榊原の前に筧が着いた。
「もうご存じだと思いますけど、今日こちらに伺ったのは甲斐の噂の件でして」
口火を切った榊原が一瞬隣に目をやると、甲斐は軽く頷いた。
二人の間では既に何かしらの話がついているらしい。
腹をくくったような目で甲斐も榊原に応えている。
阿吽の呼吸で通じ合う二人の些細なやりとりに、美貴は無性に苛立った。
甲斐は今、いつものように榊原に対して上下関係の壁を作らずに、
無防備なまでに甘えていた。

「俺だってずっと電話してんのに。なんで一回も出ねえんだ」
美貴は八つ当たりに近い鬱憤を目の前の甲斐に叩きつけた。
途端に釈明しようとするように顔を上げ、甲斐は悲壮な目をして美貴を見た。
けれど、甲斐が前のめりになり、口を開いたその刹那、
榊原が遮るように言い放つ。
「実は、今度の話は僕が元凶だったんです」


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