「ほんとのことを言ってくれ」
第三章

ほんとのことを言ってくれ29

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「や、だ!弘く、……ん、だめっ、ああっ」
 数馬はかぶりを振って喚きたて、ずり上がろうと膝を立てる。

 まさか野村がここまでするとは思わなかった。あの清潔な白い歯が、薄く柔和なあの唇が性器を咥えて扱いているかと考えただけで惑乱し、咄嗟に半身を起こしかける。けれども野村に腰骨を掴まれ、逃れる事は叶わなかった。

「は、あ……っ、あっ、……んんっ」
 幼児が乳をすするように舌を絡めてすすりあげ、鄙猥な音をたてる野村が時折上目に数馬を見やる。
 根元からくびれまで軸を伝う尖った舌先。
 それこそアイスを舐めずるように嬉しげに、何度も何度も上下する。
 いつしか野村に口淫させる罪悪感も意識の底へと沈んでいった。あざといほどに巧みな舌に狂おしいほど煽られながら、腰を揺らして喘ぎたてる。

「ああ、んっ!……あっ、それっ」
「……ここ、好きか?数馬」
「あっ、好き、ん、……っ!ああっ!」
 好きだと答えた先端の切れ込み。野村がそこに殊更ゆったり舌を這わせる。数馬は切なく眉を集め、媚をはらんだ甘い声音で啼いて応えた。      

 口淫の合間に求められ、激しくかわす深い口づけ。
 舌の腹まで舐めあって、喉に吸いつく野村をかき寄せる。湿った髪を狂おしいほどまさぐって、夢中でキスを落としていると、野村の右手が数馬の背筋を辿って下り、尻のあわいで上下した。
「あっ!……そこ」
 数馬は思わずか細い声をあげた。
 もちろん狭間の窄みに触れる指が、何を意味しているのかぐらいはわかっている。それでも、一瞬の躊躇をにじませる数馬に野村が訊ねた。

「……やっぱり、嫌か?ここまでするのは」
「ううん。違う、そうじゃなくて」
 微かにだったが、野村に寂しげに眉を下げられ、数馬は慌てて否定する。
「弘君とだったら、嫌とか恐いとかじゃないんだけれど……」
 自分にできるかどうかが不安になってと、声をひそめて項垂れた。すると、いつものように大きな掌が頭に乗せられ、宥めるように叩かれる。

「そんなの、やってみてできなかったらやめればいいだけの話だろ。お前も俺も無理してしたってしょうがない」
「弘君……」
「だけど、とりあえず一回俺にチャンスくれよ」 
 と、野村が笑んだ。          
「……うん」   
「ゆっくりするから」
「うん。……大丈夫」
 頬や額に口づけ合うと、野村が数馬を横たえる。

 数馬は促されるままベッドにうつ伏せ、胸に枕を抱えこんだ。
 よりにもよって大好きな人に尻を突き出し、あんな所を晒すだなんて羞恥で消え入りそうになる。けれども、野村は数馬の体液をまとわせた指で後孔に触れ、今まで以上に真摯な声音で数馬を諭した。
「しばらく口で息をして……、そうだ、上手だ。吐く方の息を長くして」        
 入り口をまず丹念に湿らせる事に専念し、決して無理には進んでこない。数馬が息を吐くと弛むそこに指先を食ませ、内壁に粘液をぬりこみながら押し広げていた。

「……んん、んっ、あっ、ふ……」
 最初のうちこそ驚異でしかなかった抽挿が、いつしかむず痒いような粘膜をゆったり擦られる快感に変わる。思わず鼻にかかった息をもらすと、数馬の変化を悟ったように野村がその指を慎重に引き抜き始める。
「かなり奥までゆるんできたから……」  
 入れるぞと、短く告げて数馬のそこに野村の屹立をあてがった。




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