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【  2017年10月  】 

一緒にいようよ 33

第四章

2017.10.01 (Sun)

  そんな二人を目のあたりにして、咲は谷底に一人突き落とされたかのように、内心憔悴しきっていた。それでも二人が気になって、今日は逃げ帰ることもできずにいる。    炭火を起した囲炉裏を生徒と一緒に囲んで座り、表面上はにこやかに日本式バーベキューで、もてなした。剛志も火箸で炭の位置を調整すると、こうして囲炉裏の煙でいぶすことで、茅を害虫から守るのだと生徒達に説明する。 「イギリスにもある? こういうの...全文を読む

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一緒にいようよ 34

第四章

2017.10.02 (Mon)

 「今晩は。まだお仕事の途中でしたか?」ニックは工房のアルミ戸を開けるなり、ヤスリやフイゴが散乱する咲の周囲を見回した。「あっ……、いや、ごめん! 大丈夫だから入って、ニック。ちょっと夢中になっちゃってて」咲は飛び上がるように驚いた。気づいた時にはニックとの約束の時間になっていた。クワの刃を打ち直していた槌を置き、慌てて火床の始末をする。「ニックはビールよりお茶の方がいいんだよね? 確かアルコールは駄...全文を読む

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一緒にいようよ 35

第四章

2017.10.03 (Tue)

 「え……っ?」感情をあまり表に出さないニックが、咲の言葉に驚きの表情を初めて見せる。それだけで何を言っているんだと、拒絶された気さえした。咲は、みぞおちがぎゅっと萎縮するのを感じていた。 二人きりの座敷には気まずい空気が横たわり、正座した腿の上で、咲は拳を握り込んだ。「……それは、もしその提案が実現したら、咲も剛志と一緒にイギリスに来てくれるという意味、なんですね?」やがて、ニックが張りつめた沈黙を破...全文を読む

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一緒にいようよ 36

第四章

2017.10.04 (Wed)

 ニックの曇りのない目でまっすぐに目の奥を射抜かれる。鍛冶職人養成コースの設立を本当に要請するかどうかではなく、ニックには、本当に渡英する意思があるのかどうかを問われている。咲は途端に心も頭も揺さぶられたようになり、やはり顔を背けてしまう。鍛冶職人の養成コースが設立されれば、渡英しても職が得られる。生活ができる。そんな自分のエゴだけで、こんな途方もない提案をしている自覚があるからだ。しかも、そうまで...全文を読む

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一緒にいようよ 37

第四章

2017.10.05 (Thu)

 「咲……」咲の言葉にニックは柔らかく微笑んだ。  剛志が好きだと口に出した瞬間に、堰を切って彼への想いが溢れてきて、血潮のように体中を逆巻いた。こんなに好きだったのかと驚くほど、自分の言葉に自分の気持ちを知らされたような気がしていた。「恋人がいるのに追いかけてって、どうすんだって自分でも思ってる。だけど、剛志の近くにいたい気持ちは絶対に譲れない。消せないんだよ」            いつも自分を頼...全文を読む

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エブリスタ秋の陣でも連載します。

未分類

2017.10.05 (Thu)

 エブリスタさんの『天下分け目のBL合戦・秋の陣』でも、手塚エマの筆名で、【初対面で100%】という未発表新作の連載を始めました。『元ヤン庭師が、エリート眼鏡のコンサルタントに完全イメチェンを迫られる!?』コメディタッチのお仕事もの。陰険眼鏡のスーツ攻めに調教される受は、野良犬です。キャラ文庫賞のセンシティブ部門に投稿しています。また、【冷たい枕と優しいキス】という改稿作も、クロスノベル賞の契約結婚部...全文を読む

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一緒にいようよ 38

第四章

2017.10.06 (Fri)

 「なに、剛志。ちょっと……っ、お前!」咲は、ニックの胸ぐらを掴み上げる剛志の背中に飛びついた。剛志が当惑しているニックに一方的に激昂し、怒鳴り散らしているようにしか咲には見えなかった。「やめろって!」鋼のように硬い背中を何とか引きはがそうと咲もあがき、剛志の暴挙を責めたてた。すると、剛志は肩越しに咲を睨みつけ、ニックを乱暴に突き放す。「ニック!」大柄のニックが転倒し、地面が擦れる音がした。開けたまま...全文を読む

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一緒にいようよ 39

第四章

2017.10.07 (Sat)

 「大体女の一人暮らしじゃないんだし。俺がニックを家に呼んで、何か問題あるのかよ」咲が問い質しながら詰め寄ると、剛志が顎をぐっと引いた。そもそも、そんな下世話な場面を想像するのは、剛志に男の恋人がいるからだ。そうでなければ考えつかないはずだと思うと、胸が張り裂けそうになる。  なのに、どうして自分が責められなければならないのかと、咲は眦を吊りあげる。 「お前もつまんねえこと言ってないで、さっさと帰れ...全文を読む

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一緒にいようよ 40

第四章

2017.10.08 (Sun)

 「……なに」と、剛志を睨み上げ、抗議しかけた時だった。力任せに腕を引かれ、玄関脇の土壁に身体を叩きつけられる。「痛……っ」苦痛で顔を歪めた瞬間、呻いた声ごと唇で深く口を塞がれ、咲は、ひゅっと息を呑む。見開いた目に映るのは剛志の顔だけになっていた。でも、それもあまりに距離が近すぎて、見えているのに何も見えない。見られない。わかっているのは押しつけられた壁の冷たさ。肩に食い込む獰猛な指。 剛志の厚い胸板と...全文を読む

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一緒にいようよ 41(R18)

第四章

2017.10.09 (Mon)

 その夜のうちにニックから、無事かどうかを訊ねるメールが咲に届いた。あのあと、とりあえず剛志の家に戻ったものの、剛志が帰ってくるまでは、ずっと心配だったという。    『私が外で待っていては剛志の誤解を招くと思い、帰らせてもらいました。剛志も先ほど戻ってきましたが、咲は大丈夫でしたか?』 と、思慮深い言葉で気遣われ、咲はすぐに返信した。ニックの方こそ剛志にまた絡まれていないかどうか案じるメールを送っ...全文を読む

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プロフィール

坂東蚕

Author:坂東蚕
BL小説書き。
小説ディアプラス第27回チャレンジスクール編集部期待作・第1回BL小説大賞編集部期待作受賞。
お仕事ものや、和風、明治大正昭和レトロなBL好き。

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