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【  2017年05月  】 

咲かない桜の桜守 39

第六章

2017.05.11 (Thu)

 こんな花冷えの夜なのに、羽太の左手を収めた松田の掌は温かい。子供の体温のようだった。それとも自分の手が、冷えきっていたからか。凍りついているからか。松田は羽太の手の甲を眺めている。思案気に。唇は閉じたまま、眉を僅かにしかめつつ、物言いたげに手の中の羽太の手を見つめている。羽太の指先を撫でた松田の親指は樹木皮のように硬かった。乾燥し、ざらりとした感触を鮮烈に羽太に与え、名残惜しげに去っていった。「……...全文を読む

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咲かない桜の桜守 40

第六章

2017.05.12 (Fri)

 松田も息を凝らすようにして見つめ返してくる。視線を羽太に据えたまま、 携帯を持った手をだらりと脇に下げていた。一切の表情が抜け落ちた顔からは、答えようか止めようかという逡巡が読み取れる。口元は固く引き結ばれたままだった。けれど、瞳が小刻みに揺れている。  羽太は、はぐらかさないで欲しかった。それなのに自分で問いつめておきながら、頭の隅では知らずにいたいと、この期に及んで思っている。松田から聞き出し...全文を読む

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咲かない桜の桜守 41

第六章

2017.05.13 (Sat)

 「それって、僕に樹木医として信頼されなくなるのが恐かったって意味ですか?」羽太は声が震えるのを感じつつ、一歩前に進み出た。長身の彼の顔を見たければ、頭はほぼ垂直に上げないと不可能だ。もう松田の手の届く範囲だ。領域内だ。そこまで羽太は踏み込んだ。コートのポケットに両手を入れた松田は、もう素の顔に戻っている。鉄板のポーカーフェイスで視線だけを動かして、羽太の一挙手一投足を追っていた。その松田にもうひと...全文を読む

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咲かない桜の桜守 42

第六章

2017.05.14 (Sun)

 「……何とか言えよ」肩越しに顔をのぞかせて、松田が憮然と促した。匂うような春の夜風が花つきの枝を広げ、松田の周囲で花びらが舞った。月の光を浴びながら星屑のように閃いた。羽太は、まるで魂を絡め獲られたように目を細め、夢見心地で聞き返す。「僕が励みになったのは、どうして……」と、か細い声で問いつめる。「松田さんのその『好き』は、どういう意味の好きですか?」強ばった松田の背中がさっきから好きだ、好きだと喚い...全文を読む

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咲かない桜の桜守 43

第七章

2017.05.15 (Mon)

 「今日は帰らなくてもいいんですよね?」松田の胸に頬を押しつけ、甘えるように訊ねると、短く松田が頷いてくれる。羽太は大きな腕にくるみこまれるようにして公園の遊歩道から駐車場まで移動した。そして、互いの車を前後に連ねて山を下り、山麓の自宅まで帰って来た。玄関灯も点されない家の鍵を開ける時、胸の風穴に一陣の寒風が吹き抜ける夜もあるけれど、今日は隣に松田がいる。羽太は視線を甘く絡ませて、玄関の引き戸を嬉々...全文を読む

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咲かない桜の桜守 44(R18)

第七章

2017.05.15 (Mon)

 松田に肩を押さえつけられ、射るように睨まれる。まるで拒まれる事を前提にした脅迫だ。こんな顔で凄まれたら、嫌がったところで離してもらえそうにない。思わず羽太が吹き出すと、松田の気配が剣呑になる。「何だよ、急に」「急には、そっちじゃないですか。だって、びっくりしてただけなのに」自分も動揺しているが、もっと切羽詰まった様子の松田を見ていたら、驚きも恐れも凪いでいた。羽太は恍惚として目を細め、憮然として眉...全文を読む

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来たぜ!R18って時になってメンテナンス。

未分類

2017.05.16 (Tue)

 いつも当サイトをご訪問下さり、ありがとうございます。明日5月15日(火)は午前0時から夜の8時ぐらいまで、ブログ村の定期メンテナンス日。いよいよR18。来たぜR18。待ってたぜ! R18って時になって、今日は一日ブログ村はお休みです。悲しい。なんて間が悪いのかと呪いました。ブログ村の運営局様のせいじゃないんですけどね。ですが、メンテナンス中でも本日バナークリックしていただいた分は、保留という形でカ...全文を読む

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咲かない桜の桜守 45(R18)

第七章

2017.05.17 (Wed)

 「わっ! やっ、なに、……あっ」咄嗟に羽太は跳ね起きた。羽太の足元に移動して、ジーンズを引き抜いた松田の目の前に、顕わにされた性器がある。しかも松田は、そこにもキスしようとするかのように前屈みになり、顔を寄せた。腹につくほど反り返り、血管が青く隆起している浅ましいそれ。先走りの精液を滴らせ、下生えまで濡らした性器が醜悪で滑稽で恥ずかしい。耳までカッと熱くなり、蕩けた脳が覚醒する。羽太は思わず膝を立て...全文を読む

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咲かない桜の桜守 46(R18)

第七章

2017.05.18 (Thu)

 羽太は両膝を立てたまま、腰から融けていくように仰向けに布団に倒れ込んだ。松田はまだ口淫を続けている。今度はざらついた舌の腹で根元から軸を舐め上げて、唾液をたっぷり絡ませる。先のくびれを舌先でゆったりなぞり、乳首にした時と同じように先端をきゅっと吸い上げる。「あっ、 あっ……、んん、ああ……」背を弓なりにしならせて、松田の髪を握りしめた。脚の間で松田の頭が前後に激しく動いている。いっそ食らいたいと言わん...全文を読む

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咲かない桜の桜守 47(R18)

第七章

2017.05.19 (Fri)

 口づけを解いたあと、松田は羽太の肩口に顔を埋め、狂おしげに羽太を抱きしめる。羽太の耳に、うなじに、荒い息を吐きかけながら肌を吸い、また唇を重ねてくる。どんなにしても足りないというようにキスをする。羽太はそのたびすぐに口を開け、松田の舌を捉えにいく。頭をもたげて吸いついて、口腔深く引き込んだ。松田もまだ焦っている。不安にかられてもがいている。本当に自分が好きなのか。これでいのかと、キスで確かめようと...全文を読む

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プロフィール

坂東蚕

Author:坂東蚕
BL小説書き。
小説ディアプラス第27回チャレンジスクール編集部期待作・第1回BL小説大賞編集部期待作受賞。
お仕事ものや、和風、明治大正昭和レトロなBL好き。

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