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【  2017年04月  】 

【咲かない桜の桜守】連載スタートのお知らせ

咲かない桜の桜守

2017.04.02 (Sun)

 新撰組VS一介の町人を描いた幕末BL【死か降伏か】を休載している最中ですが、咲き始めた桜を見ていたら、この季節ならでは、の短編を掲載したくなってしまいました。かなり昔に書いたまま、放置していた作品なので未発表です。【死か降伏か】の続きを待って下さっている方には、申し訳ないです。勝手ばかり言いまして、本当にすみません。ピクシブ文芸に投稿した【サドンデス -sudden death-】が、織田信長の桶狭間の戦いを描...全文を読む

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【咲かない桜の桜守】あらすじ

咲かない桜の桜守

2017.04.02 (Sun)

 先祖代々受け継いできた『平家桜』を所有する旧家に生まれ育った三浦羽太(みうらうた)。その樹齢数百年を超える桜が突然枯れ始め、慌てていた羽太(うた)のもとに、樹木医だという松田が不意に訪ねて来る。まだ連絡も依頼も何もしていないうちに現れたミステリアスな松田に、羽太は急速に惹かれていき……。...全文を読む

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咲かない桜の桜守 1

第一章

2017.04.02 (Sun)

 三浦羽太(みうらうた)の実家が代々所有してきた乾山(いぬいやま)には樹齢八百年の桜の木がある。その昔、この人里離れた山岳地帯に逃げのびた平家の姫が、手づから植えたとされる伝説から『平家桜』と、名付けられ、御神木のように村人からも守られ、崇められていた。 羽太がその平家桜の異変に気がついたのは、二月の下旬。ちょうど、村役場が主催する桜祭りの準備が始まる時期だった。   「今年の桜はどうだろうなあ。去...全文を読む

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咲かない桜の桜守 2

第一章

2017.04.03 (Mon)

 「うちのって、じゃあ……、三浦さんの家の子なんだよな?」「えっ……?」逆に男に詰め寄られ、羽太は一瞬たじろいだ。ダウンコートにジーンズにマフラー、そしてニット帽という、シンプルでカジュアルな服装だ。あらためて見れば、人目を憚り、何かしようというような挙動不審なところはない。羽太が来たからといって、逃げようとする素振りもない。しかも、男は長身なのに頭は小さく、手足の長い、いわゆるモデル体型だ。加えて眼光...全文を読む

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咲かない桜の桜守 3

第一章

2017.04.04 (Tue)

 その翌日の朝七時、羽太は男に言われた通り『平家桜』まで車で来た。勤め先には急遽、事情を話して有休を申し込み、今日は一日、男の検分に立ち会う用意も整えた。また、羽太が運転する車の助手席には、桜祭りの幹事の小泉も座っている。昨夜のうちに経緯を打ち明け、同行してくれるよう頼んでおいたからだった。 「だけど、全然気づかなかったよ。平家桜がそんなことになってるなんて……。俺も時々様子、見に来てたはずなのに」 ...全文を読む

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咲かない桜の桜守 4

第一章

2017.04.05 (Wed)

 「ほら、見て下さい。幹のここに、注射痕があります。樹の根が吸った養分を、末端まで運ぶ管に直に薬剤が射ってあって、毒の回りが早いんです。たぶん、射たれてまだそんなに日が経っていないとは思います。だから、見た目にはそんなにわかりません。でも、中の方では症状がかなり進行していると思います」思いもよらない診断に、二人は顔色を失った。彼が差した注射跡に、言われるままに顔を寄せた。苔むした桜の大蛇のようにうね...全文を読む

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咲かない桜の桜守 5

第一章

2017.04.07 (Fri)

 「まさか、こんな田舎の桜が犯罪被害に合うなんて。なんか信じられないよ……」小泉は携帯を松田に向けたまま、羽太を肩越しに振り向いた。怒りというよりショックの方が大きいのだろう。恰幅のいい体格とは対照的に蚊の鳴くような声で嘆き、深々と息を吐き出した。羽太も、ともすれば一緒に泣き出しそうになる。「とにかく今は桜の治療に専念しましょう。犯人は検挙されてるんですし。今の僕達にできるのは、それだけですから」けれ...全文を読む

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咲かない桜の桜守 6

第二章

2017.04.08 (Sat)

 その後も日が落ちるまで作業を続けた松田が、自分の車で羽太の車を追って来る。バックミラーで背後を時々確認し、外灯も少ない山道をらせん状に下り切り、羽太は乾山の山麓にある自宅まで戻ってきた。  南信州では名の知れた旧家でもある三浦家は裏山を含めれば、敷地だけでも千坪はある。家の方は瓦葺きの平屋の母屋と日本庭園、数棟の離れと土蔵を漆喰塀が、ぐるりと囲んでいる。ただ、その母屋にも離れの棟にも明かりは一切点...全文を読む

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咲かない桜の桜守 7

第二章

2017.04.09 (Sun)

 「え、……っと。あの、じゃあ、食べられない物とか、何かあります?良ければ地鶏の鍋でもしようと思ってるんだけど」「好き嫌いは、ない」    「きのこやチーズも大丈夫?」   「大丈夫」    松田の圧倒的な存在感にあてられて、羽太は思わず敬語を忘れ、しどろもどろに問いかけた。それでも気軽にタメ口で返される。思っていたより気さくな面もあるのかと、松田の顔色を伺いつつ、おずおずと缶ビールを差し出した。する...全文を読む

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咲かない桜の桜守 8

第二章

2017.04.10 (Mon)

 「今回みたいに急な依頼もあるからな。大体の応急処置ができる程度は車のトランクに入れている」  松田は割り箸を裂き、早速長芋の梅肉和えを摘み出す。という事は、平家桜の被害は松田にも想定外だった事になる。事前に異変を知らなかったというのなら、なぜ急に訪ねてきたのだろう。まだ花見の季節でもないのにと、羽太が疑問を口にしかけた時だった。松田が鍋に箸を伸ばし、地鶏と葱を自分の小鉢に取り分ける。「あっ! 駄目...全文を読む

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プロフィール

坂東蚕

Author:坂東蚕
BL小説書き。
小説ディアプラス第27回チャレンジスクール編集部期待作・第1回BL小説大賞編集部期待作受賞。
お仕事ものや、和風、明治大正昭和レトロなBL好き。

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