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【  2017年03月  】 

死か降伏か 55

第三章 LOSE-LOSE

2017.03.01 (Wed)

 土方は酒があまり得意ではない。それでも、隊が初めて公(おおやけ)に功を成した祝いの席だ。酌を拒み、場を白けさせるのは本意ではない。副隊長に酌を拒まれたという恨みになっては、今後の士気にも関わるだろう。 土方は渋い顔をしながらも、隊士の酌は残らず受けた。一方の近藤は、両脇に芸妓をはべらせ、すっかり悦に入っている。近藤を間に挟み、土方の反対側に座る山南敬助(やまなみけいすけ)は、土方と同列の副長という...全文を読む

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死か降伏か 56

第三章 LOSE-LOSE

2017.03.02 (Thu)

 坪庭で鈴虫が鳴いている。迷路のような家屋の回廊をめぐるうち、突き当たりの厠(かわや)の前で、うづくまる土方に気がついた。「大丈夫ですか?」 背後から声をかけると、土方は土気色をした顔をぼんやり上げた。沖田はそのまま土方の肩を組んだ。「総司」「店の者に空部屋を用意するよう頼みました。そちらで少し休まれるといい」 沖田は長身の土方を半ば引きずって、板敷きの廊下を歩き出した。遊女を呼んで遊興させる揚屋(...全文を読む

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死か降伏か 57

第三章 LOSE-LOSE

2017.03.03 (Fri)

 蛇より執念深い土方が、なぜ急に見送るなどと言うのかと、目顔で沖田は問いかける。土方は苦りきって顔を歪め、憮然としたまま吐き捨てた。 「蔦屋は六万両で薩摩藩の藩内にある鉱山の掘削(くっさく)権を買ったそうだ」「六万両……っ!?」 沖田はさっと顔色を青ざめさせた。この土方をして、発言を撤回せしめた理由が瞬時に理解できた。 「ですが、どうしてそんな途方もない金が千尋さんから薩摩藩に……」「確かに、閉山寸前の...全文を読む

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死か降伏か 58

第三章 LOSE-LOSE

2017.03.04 (Sat)

 「……何だ?」「これで千尋さんのステラテジー(戦略)は、完遂されたわけですね……」蔦屋を単身訪ねた折、通された座敷で千尋と久藤佑輔が密かやに英語で交わした会話の中、沖田は、この単語だけを聴き分けた。そして、後日その意味を語学に長けた宮迫に確認し、千尋が既に何かしら画策しているらしいことは、薄々感じていたのだが。「総司。蔦屋が何だ」 気の短い土方の声が怒気をはらんでも、沖田は自分の回想に浸っていた。自分...全文を読む

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死か降伏か 59

第三章 LOSE-LOSE

2017.03.05 (Sun)

 晴れ渡る秋空に、鰯雲(いわしぐも)が流れている。下草を踏み分けながら、沖田は一人で廃寺に分け入った。崩れかけた本堂の壁に弓用の的を張りつけて、後ずさりながら洋銃を右手で構え、的に向かって銃口を向けた。とはいえ、ほんの腕の長さほどの短距離だ。それでも見よう見まねで引き金を引いてみる。鼓膜をつんざく破裂音。肘から肩まで貫くような振動の重量感。それらの衝撃に耐えるため、無意識に歯を食いしばってしまうのか...全文を読む

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死か降伏か 60

第三章 LOSE-LOSE

2017.03.06 (Mon)

 「……と、いう様に」 息を凝らす沖田を見つめ、淫靡な微笑を浮かべたかと思ったら、千尋は沖田に向けた銃を下げた。「剣ではどうしたって敵わない間合いというものがあるのです」何の装飾もない黒い短銃の銃身を無造作に帯に差し入れて、含み笑いを続けている。「まあ、当たればの話ですが」「嬲(なぶ)らないでくださいよ。寿命が縮んだじゃないですか」 やっと、やらかわれたのだと沖田は悟り、肩で大きく息を吐いた。早鐘をう...全文を読む

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死か降伏か 61

第三章 LOSE-LOSE

2017.03.08 (Wed)

 「確かに私は今度の政変では、下げなくてもいい頭を下げて回らせられました。それもみんな、あなたが佑輔を使うだなんて言ったせいだ」 逆毛をたてた猫のように威圧する沖田の手から銃を取り戻し、千尋は伏し目がちに淡々と答えた。そうして、回転式の弾倉から弾をひとつ掌に受け、指でつまんで検分する。「こんな粗悪な弾丸では銃身を痛めます。いずれ発射と同時に暴発にもなりかねない」 苦々しげに呟くと、千尋は沖田の銃の弾...全文を読む

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更新滞ってしまい、すみません

未分類

2017.03.14 (Tue)

 【死か降伏か】連載スタート以来、たくさんの方に読みにきていただきありがとうございます。幕末という面倒な時代設定+BLらしいエロもない……。こんなんで楽しんでいただけるのか。迷いつつ、不安にかられつつ、でもやっぱり書いていて自分がいちばん楽しいので書いていました。ですが、今、ピクシブ文芸という投稿サイトに投稿している小説が、コンテスト〆切日までに最終話まで書けるかどうかの、ギリギリのデッドラインにおり...全文を読む

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プロフィール

坂東蚕

Author:坂東蚕
BL小説書き。
小説ディアプラス第27回チャレンジスクール編集部期待作・第1回BL小説大賞編集部期待作受賞。
お仕事ものや、和風、明治大正昭和レトロなBL好き。

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