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【  2015年10月  】 

ホワイトナイト62

第六章

2015.10.21 (Wed)

 「買収たって、芹沢製薬は日本の会社じゃないですか。陽介さん所みたいな小さい会社や外国のメーカーさんが、一体どうやって」「房子さんも芹沢製薬は株式会社だから、その会社の株を一番たくさん持ってる人が社長になれるってことはわかるよね?」     猛は混乱する房子を落ち着かせるため、あえてゆっくり話をした。しかし、房子は驚いたように目を見張る。「ええっ? だって、芹沢製薬は芹沢さんの一族が創業したメーカー...全文を読む

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ホワイトナイト63

第七章

2015.10.21 (Wed)

 翌朝から陽介の会社を報道陣が取り囲み、異様な興奮に包まれていた。      脚立を立てて陽介の事務所を撮影する者。 生中継するキャスターにカメラを向けるテレビクルーも、既に十数社にまで及んでいた。開店準備をすすめる人も通学していく子供達も驚愕の目を向け、人垣を覗きこんでいく。       国内ではそこそこ名の知れた老舗企業に喧嘩を売った無名ファンドという、わかりやすい構図はニュースだけでなく、ワイ...全文を読む

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ホワイトナイト64

第七章

2015.10.21 (Wed)

 「まさか、こんなインタビューに答えたりしてないよね?」 猛は房子を睨んで問い質す。    ただでさえ猛もコメントを求められ、昼夜問わず旅館の前に報道陣が押しかけてきて、宿泊客に煩わしい思いをさせているのだ。猛が眉間に皺を寄せると、房子は大きな声で否定した。「してませんよ、そんなこと」「芹沢製薬はうちのお得意様だったんだから。お客様の不利になるようなことは、絶対言わないようにって、他の従業員にも徹底...全文を読む

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ホワイトナイト65

第七章

2015.10.21 (Wed)

 スマホの電源を切って、ソファの背もたれに身体を預けた猛は、嘆息しながら天井を眺めた。   どんな戦も、勝つための旗印が必要だ。 戦国時代の武将らは、戦の折には必ず天皇という錦の旗印を掲げ、自らこそが官軍であることを知らしめてきた。 同じように陽介が芹沢会長を挑発したのも、最初から芹沢会長を賊軍の将とし、自分達を官軍たらしめる戦略だったに違いない。 自分の妄想にぞっとしながら、思わず身体を起こしてい...全文を読む

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ホワイトナイト66

第七章

2015.10.21 (Wed)

  彼は冷徹な乗っ取り屋なのか。 それとも真実の救済者(White Knight)なのか。 吹きすさぶ寒風が猛の黒髪をかき乱し、心も身体も締めつけるかのようだった。 思わず震えあがって腰を上げると、庭石の上でうたた寝していた野良猫が驚いたように頭をもたげる。                                 「可愛いな。日向ぼっこしてたのか」    街道添いの住人の一部がボランティアで餌をやり、去...全文を読む

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ホワイトナイト67

第七章

2015.10.21 (Wed)

 「……猛」          人の気配に振り向いた刹那、耳に届いた不機嫌そうな低い声。   木の梢から滑り落ちた雪のつぶてが敷石の上で爆ぜて散り、二人の間に溜まって広がる。飛びすさるように振り返った猛は、そのまま四肢を強ばらせ、目の前の男を頭の上から足の先まで視線で往復することしかできずにいた。                 「さっきから何だ、お前。ずっと呼んでるのに無視しやがって」       ...全文を読む

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ホワイトナイト68

第七章

2015.10.21 (Wed)

 「やめて下さい、そういうの……っ!」     その濡れたような唇の熱が重なり合った瞬間に、陽介の腕を払いのけ、火がついたように猛は叫んだ。肘にあたって陽介の眼鏡が弾き飛ばされ、宙を舞い、陽介の目が際限まで見開かれる。「猛……」 胸の前で手を泳がせる陽介から、猛はさらに距離を取る。 この一ヵ月間の不安や怒りや焦燥を、キスや愛撫で宥めて誤魔化し、うやむやにする。 陽介のその男としてのあざとさに猛は言葉を失...全文を読む

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ホワイトナイト69

第七章

2015.10.21 (Wed)

 「だから、TOBは情報戦だって言ってるでしょう?」                   敷石を渡る靴底の音が近づいてきて、黒のロングコートをまとった綾が足元に落ちた眼鏡を拾う。               「相手の不利になる情報を流して企業価値を下げるのは、買収の常套手段なの。自分達が敵対的買収を仕掛ける側なら、どうやって悪役イメージを払拭するかを考えるのも、大事な戦略のうちなのよ」       ...全文を読む

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ホワイトナイト70

第七章

2015.10.21 (Wed)

 「猛、それは……」 「陽介さん、ねえ。どうしてそんなに隠したがるの? 私には全然平気なのに、猛君には知られたくないことって何だったの……?」 不安と抗議の錯綜する目で詰め寄る綾と猛を交互に見つめ、陽介は目の奥に深い懊悩をにじませていた。それでも唇を引き結び、だんまりを決め込む陽介に、猛は痺れをきらして言い放つ。「わかりました! じゃあ、もういいです。どうせ僕は信用なんてできないし、役立たずってことなら...全文を読む

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ホワイトナイト71

第七章

2015.10.21 (Wed)

 「モデル時代に綾さんがコレクションにも出ていたデザイナーのスポンサーに、今度のTOBの提携会社がなってたんだよ。そのシカゴの製薬会社の社長と綾さんが懇意にしてるって言うから、会合の場のセッティングとかも頼んでたんだ」    「コレクション、……って」 ファッションに疎い猛がさらに首を深くひねり、あどけない顔で呟くと、陽介が声を大にする。「だから、綾さんはパリコレ常連のスーパーモデルだったんだよ! 今...全文を読む

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プロフィール

坂東蚕

Author:坂東蚕
BL小説書き。
小説ディアプラス第27回チャレンジスクール編集部期待作・第1回BL小説大賞編集部期待作受賞。
お仕事ものや、和風、明治大正昭和レトロなBL好き。

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