更新履歴

さわりを読む▼をクリックすると更新された内容の冒頭部分がご覧になれますので、久しぶりのご訪問の方はこちらで未読・既読のご確認ができます

日付別の更新チェックはカレンダーの日付をクリック ▼

2015 09123456789101112131415161718192021222324252627282930312015 11

【  2015年10月  】 

【 ホワイトナイト 】あらすじ

ホワイトナイト

2015.10.01 (Thu)

 彦坂猛は赤字続きの実家の旅館を、突然引き継ぐこととなる。そのため、経営再建のパートナーとしてコンサルタントを雇い入れるが、それは十年前に別れたきり、行方不明になっていた幼馴染みの陽介だった。猛は驕慢な性格に変貌していた陽介に、次第に振りまわされるようになり・・・・。...全文を読む

PageTop▲

ホワイトナイト1

第一章

2015.10.01 (Thu)

 抜けるように青い秋空によく映える、木曽連山のなだらかな襞。 森閑とした旧街道を石碑や大杉などを眺めながら下っていくと、やがて江戸の情緒を往時のままに残した宿場町が現れる。 でこぼこした石畳の街道添いに、軒を列ねる連子格子の二階屋や旅籠。 なまこ壁の白い土蔵。 道添いの水路を覗けば鮒が泳ぎ、水車小屋の屋根の上ではモズが熟れすぎた柿を啄ばんでいる。  名所旧跡の乏しい山間の宿場町だが、山歩きを楽しむ夫...全文を読む

PageTop▲

ホワイトナイト2

第一章

2015.10.01 (Thu)

   去年の十一月。 女将だった母親が心筋梗塞で急逝したため、大学卒業と同時に帰郷したのが今年の三月。  そのとき、幼馴染みの成井陽介が猛と同じようにUターン組として一年早く帰郷して、『成井ファンド』という地域経済活性化事業をコンセプトにした会社を興したことも知ったのだ。 その陽介に初めて挨拶に向かったのは、三月に正式に旅館を継いでから一ヵ月後の四月下旬。ただ、陽介が帰ってきていることを知ったのは、...全文を読む

PageTop▲

ホワイトナイト3

第一章

2015.10.01 (Thu)

 「……で? 今日は何の用件だ?」 陽介は椅子の背もたれに身体を預け、手元の書類をめくりながら猛に訊ねた。        顎先から耳にかけての優美なラインと、奥二重の涼やかな双眸。形のいい唇の端正な印象に変わりはないが、人物があまりに違いすぎる。もともと無口でぶっきらぼうではあったけれど、こんなに横柄な態度をとられたことは一度もなかった。 それとも、 『彦坂旅館の跡を継いだ彦坂猛』  の、自己紹介では...全文を読む

PageTop▲

ホワイトナイト4

第一章

2015.10.01 (Thu)

 「し、……失礼しました。申し訳ございません」 能面のような顔で凝視してくる陽介に、猛は渋々頭を下げた。たとえ腸が煮えくり返るようでも今は、旅館のためにと堪えていると、やがて陽介がぽつりと言った。「だったら今すぐ、お前んとこの三年分の帳簿と宿帳持って来い」          「……えっ?」「試しに査定してやる、つってんだ! ぼさっとしてねえで、さっさと持って来い!」    指示された言葉の意図がわからず...全文を読む

PageTop▲

ホワイトナイト5

第一章

2015.10.01 (Thu)

 「……まあ、座れ」 陽介は応接用のソファに猛を促し、自身も浅く腰かける。青ざめた猛の前で宿帳に目を通すうちに、眉間に皺を作っていた。              「借金の方は蔵ん中の骨董品、全部売っ払って清算するにしてもだ。古いばっかでガタがきてる設備のリニューアルには相当初期投資もかさむだろうし、歴史的人物の定宿だった等々の付加価値もない。頼みの綱の顧客リストもネームバリューゼロつったら、値段なんか...全文を読む

PageTop▲

ホワイトナイト6

第一章

2015.10.01 (Thu)

  そもそも大学の文学部で民俗学を専攻していた自分に、倒産寸前の旅館を建て直す妙案などあるはずがない。結局、どうあがいてもそれが現実なんだろう。猛は陽介に会って、それを思い知らされたような気がしていた。    M&Aと聞けば、これまでは倒産しかかった企業を二束三文で買い叩く、悪辣なハゲタカ。 買収のイメージ。 けれど、本来は売却側が経営権を譲渡し、買収側の子会社や系列会社となることで、会社そのものの...全文を読む

PageTop▲

ホワイトナイト7

第一章

2015.10.01 (Thu)

 何はともあれ、記名捺印した契約書を陽介の事務所に持ちこんでからというもの、陽介とは何度も話し合ってきた。 旅館の営業方針を、家族や団体客から個人客向けに転換すること。    彦坂旅館の十二畳間が主流だった客室も改め、六畳間の個室を増やした上で、さらに外国人観光客向けの洋室もあつらえた。 その際、本館だけはバリアフリーにリフォームも行い、車椅子の昇降が可能な送迎バスも購入した。それらの莫大な改築費用...全文を読む

PageTop▲

ホワイトナイト8

第一章

2015.10.01 (Thu)

 「この辺りは水がいいから地酒も旨い。そのわりには、まだ認知度の低いレアな銘柄も多いからな。通気取りのセレブリティに、その辺うまいことプッシュしてやりゃ、乗ってくるだろ。絶対に」                                        社長室の応接セットのソファに深く腰をかけ、陽介がさらりと言ってのける。 「ええ、絶対乗ってくると思いますよ」 あんたがその口でそそのかせばと、 ...全文を読む

PageTop▲

ホワイトナイト9

第二章

2015.10.01 (Thu)

 「あら、猛さん。さっき成井ファンドの陽介さんがおみえになられて。母屋の奥の客間にお通ししたところですけど」 彦坂旅館の女中頭の房子に声をかけられて、猛ははっと目を上げた。 声がした方へ顔を向けると、旅館の事務所の給湯室から出てきた房子が怪訝そうに猛を見ている。猛はとりとめのない追想から引き戻されて笑顔を浮かべ、自分の事務机の前で腰を上げた。「ああ、……うん。ありがとう。今、行こうと思ってたとこ」 今...全文を読む

PageTop▲

前月     2015年10月       翌月

Menu

プロフィール

坂東蚕

Author:坂東蚕
BL小説書き。
小説ディアプラス第27回チャレンジスクール編集部期待作・第1回BL小説大賞編集部期待作受賞。
お仕事ものや、和風、明治大正昭和レトロなBL好き。

坂東蚕の電子書籍


【極道紳士と気まぐれ仔猫】ご購入はこちらから

【恋文代筆承ります】ご購入はこちらから

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

最新記事