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【  2015年10月  】 

ホワイトナイト10

第二章

2015.10.01 (Thu)

 「あの……」 猛は戸惑いながら二人を交互に眺めたが、彼の方から腰を上げ、猛に歩み寄ってきた。「初めまして。陽介の友人で、望月敬司と申します。今日は突然ですみません」       唖然としている猛に名刺を差し出すと、望月が人好きのする微笑を浮かべた。  それほど身長はないものの、陽介同様頭が小さく首が細く、華やかな顔立ちの望月が身動ぐたびに、甘く濃厚な香水がそこはかとなく鼻孔をくすぐる。猛は鼓動が逸っ...全文を読む

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ホワイトナイト11

第二章

2015.10.01 (Thu)

 「利き酒会のことも、彦坂旅館も、この街道添いの観光産業のことも、敬司がコラムで紹介する話になったから。お前に敬司の案内役をやれって言ってるんだ」「本当、ですか……?」 望月との再会に動揺している最中に件の企画の採用を告げられ、思考回路が焼き切れたように頭の中が真っ白になる。陽介にはいかにも不本意そうに言われたものの、歓喜がじんわりこみあげてきて、息まで震え始めていた。「……ほ、本当にうちでやらせてもら...全文を読む

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ホワイトナイト12

第二章

2015.10.01 (Thu)

 「あ……、ありがとうございます」        猛は仰け反るように身体を離し、望月のスーツの胸に手をついた。しかし、望月は流れるような仕草で猛のその手を引き寄せ、再び肩に手をかけた。  「早速なんだけど、利き酒会の会場になる『蝶の間』に案内して頂いていいですか? あと、彦坂君の写真もぜひ」 「こいつの写真なんか必要ねえだろ」「だって、こんなキレイな若旦那が接待してくれるってのはポイント高いよ。女性誌...全文を読む

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ホワイトナイト13

第二章

2015.10.01 (Thu)

 「お気使い、ありがとうございます。でも、もうちょっと仕事してから、すぐ失礼しますんで」 と、シャッターを切り、にこやかに申し出を辞退した。と同時に、ファインダーを向けられた房子が顔の前で手を振りながら畏れ慄き、障子を閉じて逃げていった。                 「ここの仲居さんは出過ぎたところがなくて、感じいいよね。彦坂君の教育の賜かな」   「……そんな」  「僕も職業柄、いろんな所に行っ...全文を読む

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ホワイトナイト14

第二章

2015.10.01 (Thu)

 自分達よりやっぱり彼女を優先するのか。 そんないじけた気分になっていると、その肩口から望月が顔を覗かせてくる。 「なんだ。先約ってのは綾さんとこでランチってわけか。陽介の奴」              落胆する猛の心を読んだように呟かれ、猛はぎょっと目を剥いた。「望月さんも綾さんとお知り合いだったんですか?」                    世間話のついでを装い訊ねると、猛は旅館内では最大の...全文を読む

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ホワイトナイト15

第二章

2015.10.01 (Thu)

 館内の撮影を終えた望月を送り出し、母屋の厨房に戻った猛は、番頭の山岸とともに房子が用意した昼食を取り始めた。山岸と房子は望月が出版社の覆面記者だと猛に知らされ、目を丸くする。      「覆面記者さんだったなんて、全然そんな風に見えませんでしたよ」  「私、何か粗相しとらんだろうか」「日が暮れてから来られたんで、あんまり眺めの良くない部屋に泊めちゃいましたよ。印象悪くしてないでしょうか……」   「...全文を読む

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ホワイトナイト16

第二章

2015.10.01 (Thu)

 「猛君も、ごめんなさいね。私は猛君のお食事が終わってからで構わないから、また後で出直して来ますけど」      「いえ、いいんですよ。二度手間になってしまいますから、すぐご案内します」 その嘆息を、綾は無言の非難と受け取ったのか。気遣う綾を猛は慌てて引き止めた。 「どうぞ、綾さん。こっちです」 と、蔵の鍵を握りしめ、にこやかに綾を誘った。恐縮しつつも追ってきた綾と庭に面した廊下をまっすぐ進み、途中...全文を読む

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ホワイトナイト17

第三章

2015.10.01 (Thu)

 「猛さん、……ちょっと」 猛が事務所に戻ってくると、女中頭の房子が待ち構えたように出迎えて、事務所の隅へいざなった。「綾さんって、やっぱり芹沢製薬の会長さんから嫌がらせされてるって本当ですか?」     房子は心配そうに顔をしかめ、声をひそめて耳打ちをする。「芹沢製薬の会長から?」 芹沢製薬は老舗の製薬会社であり、この辺り一帯のほとんどの会社と何らかの取引のある親会社である。 また、役員の芹沢一族は...全文を読む

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ホワイトナイト18

第三章

2015.10.01 (Thu)

  不安を訴える房子を振り切り、フロントに戻ってきた猛を、すれ違いざま男性客が呼び止めて言う。     「すみません。あの、これから夕食を取りたいんですけど、一人でも入りやすい店って旅館の近くにないですか?」 照れ臭そうに訊ねられ、猛はすぐに街道添いのグルメマップを手渡した。「こちらは郷土料理と地酒が自慢の居酒屋さんです。カウンター席もありますから、お一人様でも気兼ねなく楽しめると思います。それから...全文を読む

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ホワイトナイト19

第三章

2015.10.01 (Thu)

  今年の三月に帰郷して、それからというもの仕事仕事で夜に出歩くこともなかった猛は、久しぶりに見る夜の街道の賑わいに改めて驚かされた。        以前は日が暮れると同時に店仕舞いする食事処がほとんどで、旅籠の軒灯りだけがひっそりと灯る薄暗い街道だった。それがたった半年で居酒屋やカフェだけでなく、夜の九時近くなっても土産物屋まで営業している。  外灯に照らし出される石畳をそぞろ歩く若いカップル。 ...全文を読む

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プロフィール

坂東蚕

Author:坂東蚕
BL小説書き。
小説ディアプラス第27回チャレンジスクール編集部期待作・第1回BL小説大賞編集部期待作受賞。
お仕事ものや、和風、明治大正昭和レトロなBL好き。

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